山伏峠、私の彷徨(序章)


 それはパラを始めてまだ1年経たない頃、NPになって半年くらいでの出来事だった。 (かなり昔のことを記憶だけで書いてるので100%ではないかもしれませんが、 大体はあっていると思います)

 その前日はエリアの新年会で、 マスターコースの女の子二人を連れてエリアに向かう。 前の日から降っている雪はまだ続いていて飛ぶ気はなかったし、 その日のうちに帰ろうとは思っていたが、一応グライダーは持っていった。
 エリアに着くとけっこう雪が降っている。 飛べますよと云われたがもちろん飛ばない。 新年会までは時間があり、打ちっぱなしとパチンコで時間を潰し会場へ。 会場はメンバーが利用したりするペンション&レストラン。 料理はけっこうな質と量で、おまけに酒も美味い。 さすがにもうよくは覚えてないが、かなり飲んだようだ。 (そのときの写真が少し残っているが目がもうイッテル…) 女の子を送るはずだったが、もうそんな状況ではなくなっていた。 帰るつもりだったので宿泊は頼んでなかったが、 仲間とイントラに抱きかかえられベッドに放り込まれた。 このときベッド脇の壁にアタマをシコタマぶつけたが、 アタマをさすりながらエヘラエヘラと笑っていたらしい…
 翌日はさすがに気分がすっきりしなかった。 とりあえずはエリアに行きマッタリモードに入る。 雪は止んでいたか、止みつつあって、徐々に飛ぶ人が出てくる。 ただ、地面は雪に覆われていて、パッと立ち上げて飛んでいける人はいいが、 スタチンこいたりしてるとグライダーは濡れてしまいそうだった。 いまなら自粛するところだが、その頃は飛びたい飛びたいの頃… 風そのものはかなりいいカンジで入っており、 ついに誘惑に抗しきれなくなり入山する。
 そのときのグライダーはB3(クラス2-3)という機体で、そのときの自分にはまだ難しく、 立ち上げでもかなり苦労していた。 なのに雪の上でやろうとするもんだから、足元は滑り、 結果スタチンを繰り返してグライダーは濡れてしまった。 (かわいそうなグライダー、まだ新しかったのに…)
 何度もトライして疲労困憊。もう止めようかと思い始めていたとき、 なんとかうまくいってテークオフ。 風のパターンもいいときに出れたようで隣の山にも移れる。 そこで飛んでた人は(若葉マークが来たからか)山を離れ、おかげで一山独占状態。 それまでの苦労が報われ、しばしハッピーな時間を過ごす… それが起きるまでは…

 本編へ続きます。


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